多焦点眼内レンズはライフスタイルや希望する見え方に細かく対応できるよう、様々な種類が存在します。ここでは、眼科医の松本行弘医師監修のもと、様々な多焦点眼内レンズの特徴を細かく解説します。手術を検討している方は参考にしてみてください。
年間2000件を超える白内障手術実績を有する「アイケアクリニック」の松本医師。(2023年10月1日調査時点)。患者の「見え方」に対する幅広いニーズに対応するため、20種類以上の多種多様な眼内レンズを用意しています。
その知見の深さから、公式Youtubeチャンネル(※)で、白内障手術や多焦点眼内レンズの正しい情報発信にも取り組まれています。
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多焦点眼内レンズには、国内承認済のものと、未承認のものに分かれます。国内承認済レンズは、手術費用の一部が保険適用となる選定療養の対象となり、未承認レンズの場合は、基本的に治療費が全額自己負担(自由診療)です。
未承認レンズの場合、品質を疑問視されるかもしれませんが、単に厚生労働省の認可作業が追いついていないことが大きな要因です。性能や安全性についてはすでにヨーロッパやアメリカで証明されており、使用実績も豊富です。
むしろ、国内承認レンズにはない特色を持ったレンズも多く、その強みが自分にとって魅力を感じられるものであれば、未承認レンズを使うことも選択肢の一つです。以下で、国内承認レンズと、未承認レンズをそれぞれ詳しく紹介します。
本来の目のはたらきに近い見え方
Clareon Vivity(クラレオン ビビティ)は、日本でも2023年に厚生労働省の許可を取得した独自技術“波面制御型焦点深度拡張レンズ”を採用しているのが特徴。これは本来定まるピントが限られる単焦点眼内レンズとは違い、遠方から中間まで連続して広がるように見えるのがポイントです。つまり、本来の水晶体のはたらきに近い効果が期待できますが、手元の見え方はやや弱いため、手元の細かい字を見る際には老眼鏡が必要となる可能性があります。
従来の多焦点眼内レンズの課題を改善
また、多焦点眼内レンズは焦点の範囲が広い分映像が粗くなりやすいと言われていますが、Clareon Vivityは単焦点眼内レンズと同程度の「鮮明なコントラスト」も併せて実現。異常光視症状(ハロー・グレア)も大幅に軽減可能なため、より自然な視界を実感しやすいでしょう。ただし、先進的なレンズということもあり、費用がやや高い点と、近視や乱視が強い方はレンズの度数がなく不適応となるケースがあることがデメリットです。
松本医師
Clareon Vivity(クラレオン ビビティ)が適しているのは、
なるべく裸眼で自然な視界を実現したい人
多焦点眼内レンズならではの広範囲のピントと、従来は単焦点眼内レンズのメリットだと言われていた鮮明なコントラストを両立しているのがClareon Vivity(クラレオン ビビティ)魅力。そのため予算に余裕があり、かつなるべく裸眼で自然な視界を実現したい方に適していると言えるでしょう。 また、夜間運転の頻度の高い方や、緑内障や網膜疾患などで多焦点眼内レンズが不適応となった場合でも、Vivityが適応となるケースもあります。
様々な生活のシーンに対応可能
PanOptix(パンオプティクス)は、遠方から中間、近方(40㎝)まで3点にピントが合う多焦点眼内レンズとして知られています。単焦点眼内レンズの場合は見え方の質が高い分、3点いずれかのピントにしか合わないため必要に応じて眼鏡をかけなければなりませんが、PanOptixはパソコンやスマートフォンを使用する時、運転やテレビ鑑賞をする時、読書をする時など様々なシチュエーションに対応できるのが特徴です。
3焦点レンズは他にも存在しますが、同製品は生活距離により適合しているのがポイント。2019年に国内で初めて厚生省による承認を受けた3焦点眼内レンズということで、年齢を問わず症例数が多いのも長所と言えるでしょう。
松本医師
PanOptix(パンオプティクス)が適しているのは、
デスクトップ型パソコンをよく使う人
特に中間距離の見え方の質が高いと言われるPanOptix(パンオプティクス)は、仕事や趣味などでデスクトップ型のパソコンをよく使う方におすすめです。 また、乱視がある人にも適しています。目の疲れに悩まされがちな場合に、ぜひ検討していただきたいレンズと言えます。
遠方から近くまでバランスよく見える
Synergy(シナジー)は2020年に発売された多焦点眼内レンズ。後述するシンフォニー(Symphony)というレンズと2焦点レンズの強みを組み合わせた、いわば「ハイブリッド眼内レンズ」として誕生しました。前者のレンズが遠方~中距離までのピントを想定しているのに対し、2焦点レンズは目から30~40センチ程度の場所にピントが合いやすいのが特徴なため、より見える範囲が広がりました。
夜間での活動が多い方は要注意
デメリットとして、異常光視症状(ハローグレア)や光のにじみ(スターバースト)が出やすい面があります。夜の街を歩いたりイルミネーションを見たり、夜の運転をしたり…といった行動には向いていないと言えるでしょう。
松本医師
Synergy(シナジー)が適しているのは、近くでの見え方を重視する人
Synergy(シナジー)は特に近い距離が見えやすいため、近視が強い方に向いています。夜に行動することが少ない、小柄な方(腕の長さ)などで近い距離で手元を見たい、という方は検討してみてはいかがでしょうか。
近方に強いレンズ
FineVision POD F(ファインビジョンPOD F)は、ベルギーのPhysIOL社が2011年に販売開始した親水性アクリルの回折型3焦点レンズ。簡単に言えば「近い距離がよく見える多焦点(3焦点)眼内レンズ」と表現できるでしょう。特に目から30センチ程度の場所に強いとされており、近方を重視する方にとっては心強いレンズですが、このレンズが進化し素材が疎水性アクリルとなったものがFinevision HP(POD F GF)です。
従来のデメリットが起こりにくい
また、瞳孔径によって光エネルギーをコントロールする仕組みでる「アポタイズ構造」を採用することで、ハローグレアやスターバーストといった光のにじみ・異常を軽減しているのも特徴。暗い場所の中でも特に瞳孔が開くような場所では、多焦点眼内レンズにありがちなデメリットが起こりにくいと言われています。ただし、まったく生じないわけではないため、検討の際には医師とよくご相談ください。
松本医師
FineVision HP(ファインビジョンHP)が適しているのは、手元での作業が多い人
FineVision HP(ファインビジョンHP)は同じく夜間の使用に強い異常光視症が軽減されたPanOptix(パンオプティクス)と比べても、特に近距離の見え方に優れていると言われています。そのため、手元での作業や細かい文字を読む読書などが多い方に関しては、FineVisionの方が向いていると考えられるでしょう。但し、乱視用のレンズがないため角膜乱視が強い場合は不適応となることがあります。
明瞭な視界とコントラストを追求
Symfony(シンフォニー)は、単焦点眼内レンズと同様の単峰性でピントの合う範囲が広がるように造られている焦点深度拡張型眼内レンズです。多焦点眼内レンズにありがちな鮮明度の低さを軽減し、単焦点眼内レンズならではのはっきりとしたコントラスト・視界を追求しています。
近方を重視する場合は注意
距離としては遠方~中間に強いと言われており、独自のアクロマティックテクノロジー(色収差補正)を採用していることから、ハローグレアをはじめとする異常異常光視症も少ないようです。ただし、近方の見え方に関しては弱いため、近くのものを見る時には眼鏡が必要、ということを念頭におくと良いでしょう。
松本医師
Symfony(シンフォニー)が適しているのは、手元での見え方は妥協できる人
光のにじみが起こりにくく、コントラストがいいのがSymfony(シンフォニー)の強み。近距離はやや不安が残るという注意点もふまえると、手元での作業や細かい文字を読む読書などの機会が少ない、またはそういった際には眼鏡をかけても良いから、日常生活での不便を減らしたいという方に適していると言えます。
生活に合わせて焦点を決められる
S Tecnis Multifocal(テクニス マルチフォーカル)は2焦点の回折型レンズで、ライフスタイルに沿って、近くの焦点を33㎝・40cm・50cmのいずれかから選べるのが特徴。主にショッピングやゴルフなどに必要な中距離(50㎝)視力を重視するモデルと、パソコン操作や読書、料理などに必要な距離(42㎝)を重視するモデル、撮影やお裁縫などの近距離(33㎝)視力を重視するモデルの3つが用意されています。
うまく選べば眼鏡に依存しない
つまり、日常的に頻度の高い行動に寄り添ってレンズを選べれば、白内障手術後の眼鏡依存度を軽減できる可能性もあります。また、ハロー・グレアが起こりやすいため夜間も運転される方は注意が必要です。日々の生活で中距離視力も近距離視力も同程度使用するという場合には、どのレンズを選択すべきか迷ってしまう恐れもあるでしょう。
※40・50㎝が2024年3月末、33㎝が2024年12月末で終売。
松本医師
Tecnis Multifocal(テクニス マルチフォーカル)が適しているのは、
生活における見え方の優先度が明確な人
Tecnis Multifocal(テクニス マルチフォーカル)が適しているのは、自分のライフスタイルの傾向がしっかり分かっていて、優先順位を決められる方だと言えます。例えば運転ができないと困る、スポーツや読書、お裁縫など生きがいがある、仕事でも趣味でもパソコンを使う…など、見え方の質を高めたいポイントを一度振り返ってみると良いでしょう。
幅広い範囲をカバーし、デメリットも改善されたレンズ
Intensity(インテンシティ)は、イスラエルのHanita Lenses社によって開発された「5焦点眼内レンズ」。5焦点とは、40㎝・60㎝・80㎝・130㎝と遠くを指します。日常の幅広いシーンでの距離がカバーでき、より快適な視界を実現できると言えるでしょう。
また、光効率の最適化により、光エネルギーのロスを低減。光を効率よく目の中に入れることが可能なほか、瞳孔径に応じて最適配分されるように製作されていますから、ハローグレアやスターバーストなどを防ぎやすいのも特徴です。眼鏡の装着頻度を減らせるレンズとして、今後も期待されている多焦点眼内レンズだと言えます。
松本医師
Intensity(インテンシティ)が適しているのは、全ての距離をバランスよく見たい人
Intensity(インテンシティ)はバランス性能に優れた眼内レンズのため、多焦点眼内レンズを検討する幅広い方におすすめできます。一方で「強度近視のある方に不向き」「費用が高い」などの注意点もあります。
遠方から中距離もバランスよく見える
Mini Well READY(ミニウェル レディー)は、イタリアのSIFI MedTech社が開発した多焦点眼内レンズ。従来の回折型と屈折型に対して新たに誕生した「プログレッシブ型」のレンズで、遠方から中距離までスムーズに見えるよう工夫しているのが特徴です。
見え方の質もキープ
遠くから中距離までを連続的にカバー可能な上、コントラスト(見え方の質)の低下がほとんどないと言われており、ハロー・グレアも少ないとされています。ただし、近距離を強みとするレンズに比べると、ごく近い場所の見え方に関しては弱いので、手元での作業や細かい文字の読書などを日常的に行いたい方は注意しなければなりません。
松本医師
Mini Well READY(ミニウェル レディー)が適しているのは、
アクティブな生活を送る、あるいはPCを使う人
Mini Well READY(ミニウェル レディー)は遠方から中距離までの見え方の質が特に高い多焦点眼内レンズのため、運転やゴルフを楽しむといった「アクティブな趣味・習慣がある方」や「パソコンをよく使う方」に向いていると言えるでしょう。近距離の見え方が気になる場合は、ライフスタイルも含めて一度医師にご相談ください。
遠距離と近距離双方に対応し、ハローグレアも抑える
Mini WELL PEOXA(ミニウェル プロクサ)は、従来のミニウェル製品のデメリットである近視視力の弱さを補完するために開発されたのが特徴。優位眼(脳が優先的に認識している方の目)にミニウェルを装着し、そうではない方にこのミニウェル プロクサを装着する「WELL Fusion™(ウェルフュージョン)」と呼ばれるシステムにより、遠距離と近距離双方に対応できるという仕組みになっています。
従来のミニウェルの「レンズ表面にはっきりした段差がない」特徴に加え、ミニウェルプロクサは焦点距離を両眼で補完可能という特性を併せ持つため、ハローグレアの発生を抑えられる側面も。ただし、遠方のコントラストに関してはミニウェルレディより劣る、とのデメリットも存在します。
松本医師
Mini WELL PEOXA(ミニウェル プロクサ)が適しているのは、
ミニウェルが合い、近距離の視力を重視したい人
Mini WELL PEOXA(ミニウェル プロクサ)をおすすめできるのはミニウェルに適性があり、かつ近距離の視力を重視したい」だと言えるでしょう。具体的には、「総合的にミニウェルが良いような気がするけれど、読書や裁縫をするから近距離に弱いのは抵抗がある」というケースです。ハローグレアの発生もより抑えられているため、夜間に活動する機会が多い場合も注目したいレンズでしょう。
オーダーメイド型も選べるレンズ
TriDiff(トライディフ)は2018年に発売された、イギリスのEyeOL UK社開発の3焦点眼内レンズ。日本では2019年から使用が開始されたモデルで、「親水性アクリル」で造られたプレート型のデザインが特徴です。製造精度を厳密にする「プレミアムレースカット技術」が採用されているため、面精度が美しいのもポイントだと言えるでしょう。
また、系統としては回折型にあたりますが、中央部から周辺部にステップ高が低くなる特殊構造により、光エネルギーを効率よく使えるのも魅力。ハローグレアの発生を抑えつつ、快適な視界を追求します。完全カスタムメイドのトーリックレンズ(乱視矯正タイプ)も存在するため、自分の体質に合わせてより適切なレンズを選びやすいでしょう。
松本医師
TriDiff(トライディフ)が適しているのは、夜間での活動やスポーツの機会が多い人
TriDiff(トライディフ)は乱視用のトーリックレンズも選べるほか、ハローグレアの発生を抑える工夫もなされているため、乱視、かつ夜間の運転やスポーツなどの機会が多い方に向いていると言えます。規格の範囲が広いため、他の多焦点眼内レンズで規格外の角膜乱視や近視が強い方にもお選びいただけます。
近視・乱視に対応したオーダーメイドも可能なレンズ
イタリアのSoleko社が開発した屈折型、および焦点深度拡張型(EDOF)を組み合わせて造られたEVOLVE(エボルブ)。EU加盟国の基準を満たすものを示す適合マーク「CEマーク」を取得しており、強度近視、強度乱視に対応しているのが代表的な特徴です。
強度近視、強度乱視は通常既製品の多焦点眼内レンズでは範囲内となる部分なので、こういった症状にお悩みの方にとっては心強いレンズだと言えるでしょう。また、素材からすべて自社製造を行っているのもこだわりポイント。オーダーメイドで乱視タイプも製作可能なので、より自分に適したレンズを追求できます。ただし、50㎝~遠方にかけてを強みとするレンズのため、近距離に関してはやや弱い傾向があります。
松本医師
EVOLVE(エボルブ)が適しているのは、近視・乱視に困っている人
EVOLVEは強度近視や強度乱視に対応可能な部分が画期的。加えてハローグレアを軽減する工夫も行われているので、近視や乱視に悩まされていて、かつ夜間に行動することが多い方に向いていると言えます。乱視用レンズも柔軟に製作可能、かつレンズのパワーも細かく広く用意されていることから、幅広い症例に適合できます。
従来のデメリットが改善されたレンズ
Fine Vision Triumf は、ベルギーのPhysIOL社が開発した疎水性アクリル素材の3焦点・焦点深度拡張型(EDOF)眼内レンズ。近方・中間・遠方の3点にピントが合い、焦点深度拡張型を取り入れていることで、コントラスト感度が良く、従来の3焦点レンズと比較するとハロー・グレアも軽減されています。
松本医師
Fine Vision Triumf(ファインビジョン トリムフ)が適しているのは、
パソコン作業やスポーツの機会が多い人
Fine Vision Triumfは遠方と中間に強みがあるレンズのため、パソコン作業の多い方、スポーツや楽器を趣味にされている方に向いており、ハロー・グレアも少ないとされています。近方は必要に応じて眼鏡が必要になる可能性があります。
中間~遠方を強みとし、見え方の質の低下も防ぐ
2017年、オランダで開発されたAcriva Trinova(アクリバ トリノバ)。ヨーロッパでは15万以上(※2023年11月8日調査時点)の使用実績を持つ、症例が豊富なレンズです。基本的には3焦点、かつ回折型の構造となっていますが、光学部表面を正弦波の峰のようにデザインするSeamless Vision Technology (SVT)により、光エネルギーも効率よく活かせるよう工夫されています。
対応範囲は、40㎝・80㎝と遠方。基本的には中間~遠方を強みとしているレンズで、光をスムーズに分配することで距離による見え方の質の低下を防いでいるのも特徴だと言えるでしょう。ハローグレアも少なく、夜間での視力も比較的安定しているレンズです。
松本医師
Acriva Trinova(アクリバ トリノバ)が適しているのは、
パソコン作業やスポーツの機会、夜間の活動が多い人
Acriva Trinova は中間~遠方を得意としているレンズのため、日常的にデスクトップパソコンでの作業やタブレットを使う仕事をしている方、運転・スポーツを有意義に楽しみたい方などにおすすめです。夜間での使用が安定しているのも、自動車ユーザーには嬉しいポイントでしょう。
コントラストが保たれどこでも見えやすい
Alsafit(アルサフィット)はドイツのALSANZA社によって開発された3焦点レンズで、2018年にはヨーロッパCEマークも取得しています。日本で使用を開始されたのは2020年から。明るい場所でも暗い場所でも安定したコントラストを保ちやすいのが特徴です。
また、対応範囲は遠方~中間70㎝、および近方35㎝。光学部のレンズ中心部から周辺部にかけて高めの溝を設けることで、瞳孔が大きくなっても近距離方への光量が多くなる仕組みとなっています。また、従来の回析型レンズに比べると回折構造がシンプルな形状に改良されているので、ハロー・グレアが少なく、夜間の運転等でも活躍が期待できると言えるでしょう。
松本医師
Alsafit(アルサフィット)が適しているのは、手元での作業を重視したい人
Alsafit は近方~遠方まで幅広い範囲に対応したレンズのため、特にスマートフォンやパソコンでの作業、読書、楽器など手元での作業、料理などを仕事・趣味にしている方にとって心強い製品です。また、夜間運転しなければならない機会が多い場合もおすすめです。
光のロスが抑えられ、コントラストも明瞭
オランダのメーカーであるOphtec社によって開発されたPRECIZON Presbyopic NVA IOL は、疎水性と親水性のハイブリッドアクリル素材で屈折型の累進焦点レンズ。レンズの中心部に遠方ゾーン、その範囲に遠方ゾーンと近用ゾーンが交互に作られており、遠方~中距離50㎝くらいまでスムーズに移行するようなデザインが特徴です。
また、光のロスが10%程度に抑えられているのでコントラストも良く、ハロー・グレアも少ないと言われています。この製品は日本国内では未承認ではありますが、2018年にヨーロッパのCEマークは取得済みとなっています。
松本医師
PRECIZON Presbyopic NVA IOL(プレシゾン)が適しているのは、
パソコン作業が多く夜間の活動が多い人
PRECIZON Presbyopic NVA IOL は特にパソコン作業が多い方や、夜間の運転をよくする方におすすめです。ハローグレアが少ないため、中距離~遠方が光っている状況でも問題なくクリアな視界を保ちやすいでしょう。乱視用のレンズがあるため、乱視が強い方でも適応となります。ただし、近方は弱いため必要に応じて眼鏡が必要になる可能性があります。
従来のハローグレアのデメリットを改善
Lentis(レンティス)は、ドイツ・Oculentis社製の2焦点分節屈折型眼内レンズ。遠方と近距離で明確にレンズの焦点を分けることにより、従来の回折型多焦点眼内レンズの欠点とされていた光エネルギーの損失を防ぎ、見え方がシャープでハロー・グレアを軽減させたデザインであることが特徴ですが、まれにゴーストと呼ばれる光がダブって見える現象が出ることがあります。
また、乱視矯正用のレンズにも対応。完全オーダーメイドにて仕上げられるため、自分に適したレンズが期待できるのが魅力と言えます。
松本医師
Lentis(レンティス)が適しているのは、他の多焦点眼内レンズが合わなかった人
Lentisが向いているのは、近視や乱視が強く、他の多焦点眼内レンズでは適応外だった方や遠くと近く(40㎝)の見え方を重視する方だと言えるでしょう。中間は弱いので必要に応じて眼鏡が必要となる可能性があります。完全オーダーメイドのため、できる限り相性のよい自分専用のレンズを追求したい場合にもおすすめです。ただし、ヨーロッパへの発注が必要な点には注意。規格や在庫にもよりますが、特に乱視用は受注生産のため1~2か月程度は余裕を持ってみておくのが良いでしょう。
監修者の松本医師が運営するアイケアクリニックでは、患者の「見え方」に対する幅広いニーズに対応できるよう、20種類近くの多焦点眼内レンズを提供しています。グループ全体で年間およそ2000件の白内障手術の実績(2023年10月1日調査時点)を持つだけでなく、大学病院並みの医療機器と医療技術を兼ね備えているよりクリアの視界が実現できる可能性が高まります。
所在地 | 東京都中央区日本橋2-8-1 東京日本橋タワーアネックス2F |
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アクセス | 東京メトロ各線「日本橋駅」より徒歩1分 東京メトロ各線「茅町駅」より徒歩4分 JR各線「東京駅」より徒歩8分 |
診療時間 | 月・木・金:10:00〜14:00、15:00〜18:30 水:10:00〜16:00 日:9:30〜13:00 |
休診日 | 火曜・土曜・祝日・日曜午後 |
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「氷川神社入り口」バス停より徒歩1分 東武スカイツリーライン「草加駅」より徒歩5分 |
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所在地 | 埼玉県蕨市塚越1-6-14 第一商事ビル1F |
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診療時間 | 月・火・木・金:9:00〜13:00、14:00〜18:00 |
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アクセス | 東北本線「福島駅」より徒歩3分 |
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