白内障手術で起こりうる合併症にはどんなものがある?

白内障手術を受けた後、低い確率で合併症が起こってしまう場合があります。さまざまな種類がありますので、手術を受ける前に症状やリスクをしっかり確認しておきましょう。ここでは、白内障手術における合併症の種類や症状、発生率のほか、対処法を解説します。

後発白内障

後発白内障は、白内障手術後に起こりうる合併症の一つです。視力低下の低下や目のかすみなど、白内障と似たような症状が出ます。原因は眼内レンズに接する後嚢の濁りで、手術後数年以内に10%〜15%程度の方が発症するとされています。
日常生活で後発白内障を防ぐのは困難ですが、レーザーによって治療することが可能です。

参照元:徳島県医師会公式HP(https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/263-2585)

眼内レンズ偏位

眼内レンズ偏位は、白内障手術後に挿入した眼内レンズの位置がずれる症状をいいます。主な原因は、チン小帯など眼の組織が脆くなることに伴うものですが、発生する確率は術後6〜12年で1〜3%とされています。
ただし、まれに手術直後に発生することがあります。もし眼内レンズ偏位が起きた場合、手術によって新しい眼内レンズへ交換が必要です。

参照元:日本白内障学会公式HP(http://www.jscr.net/ippan/page-015.html)

チン小帯断裂

チン小帯断裂は、眼の水晶体を支える組織(チン小帯)が断裂してしまう症状をいいます。元々チン小帯が弱い場合があるほか、加齢によって弱まると、手術中に繊維が断裂する可能性が高まります。
また、眼の既往症がある方もチン小帯が弱まる場合があります。ただ、チン小帯断裂の発生率は低く、3.1%程度ともされています。もし断裂した場合、眼内レンズを縫い付ける手術が必要です。

参照元:よしやま眼科公式HP(https://yoshiyama-eye-clinic.com/op-catract/)

駆逐性出血

駆逐性出血は、目の奥にある動脈から大量に出血する症状のことです。手術中に突然起こる症状で、緊張などによって血圧が急上昇すると出血しやすいとされています。もし駆逐性出血が起こった場合、手術は中止となるほか、速やかな処置が求められます。
予防は難しいものの、駆逐性出血が発症する確率は低く、数千件に1件程度です。

参照元:ふくだ眼科クリニック公式HP(https://fukudaeyeclinic.com/cataract-surgery/c-about-complication/)

眼内炎

眼内炎は、白内障手術後に起こりうる感染症の一つです。眼内に細菌が入り込むことで起こります。術後すぐに起こるケースが多い一方、時間が経ってから起こるケースもあります。
発生確率は0.03%〜0.05%と低いものの、感染後は視力が低下するリスクがあるほか、処置が遅れると失明する危険も。他の感染症と同じく、早期発見・早期治療が大切です。

参照元:[PDF]滋賀医科大学公式HP(https://www.shiga-med.ac.jp/hospital/cms/file.php?action_disp&id=810&fid=2427)

嚢胞様黄斑浮腫

嚢胞様黄斑浮腫は、白内障手術後に網膜の一部が腫れる症状です。網膜が部分的に腫れるため、一時的に視力が低下する場合があります。発生確率は人それぞれで、医師の指示に従わなかった場合や、糖尿病網膜症の方に多いとされています。
もし嚢胞様黄斑浮腫の症状が見られる際は、適切な治療を受ける必要があります。また、術後の状態が安定するまでは、医師の指示に従って行動することで予防可能です。