手術自体はもちろんですが、術後のリスクも少し不安な白内障手術。
特に、白内障の治療をお考えの方なら一度は聞いたことがあるかもしれない「ハローグレア現象」が心配な方もいるのではないでしょうか?
ここでは、多焦点眼内レンズを採用した白内障手術で起こりやすいとされるハローグレア現象について、概要や生活への影響、軽減のさせ方などについて解説しています。
年間2000件を超える白内障手術実績を有する「アイケアクリニック」の松本医師。(2023年10月1日調査時点)。患者の「見え方」に対する幅広いニーズに対応するため、20種類以上の多種多様な眼内レンズを用意しています。
その知見の深さから、公式Youtubeチャンネル(※)で、白内障手術や多焦点眼内レンズの正しい情報発信にも取り組まれています。
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松本医師
夜に光を見ると薄いリングが見たり、花火のように広がって見える現象です
ハローグレア現象とは、簡単に言えば、夜に光が余分にまぶしく見える現象です。暗い場所で光の中心の周りに丸いリングのような薄い光が見えることを「ハロー」と言い、光の中心に花火のような筋状の光が見えることを「グレア」と言います。まとめてハローグレア現象です。
一般的に、白内障手術で多焦点眼内レンズを使うとハローグレア現象が起こりやすいと言われていますが、単焦点眼内レンズを使った場合でも、人によっては「ハロー」が見えることもあります。
手術の直後はハローグレア現象が気になる方も多いようですが、少しずつ症状に慣れていく方のほうが大半。どうしても慣れることができないという場合には、一度、手術を受けた眼科に相談してみましょう。
松本医師
生活への影響の程度には個人差があります
「確かに光がまぶしく見えるけれども、心配していたほど気にならない」「夜の運転だけは気を付けたいけど、それ以外は別に問題ない」という方もいれば、「光がストレスになるので、あまり夜は出歩きたくない」「慣れると聞いていたのに、なかなか慣れない」という方もいます。
多焦点眼内レンズを使った多くの方は、大なり小なりハローグレア現象を経験するはずですが、基本的には時間とともに慣れていくので、過剰に心配する必要はありません。ただ、手術直後に症状が著しく気になる方は、夜の運転などを控えたほうが良いでしょう。
手術から数か月たっても症状が改善されない場合には医師に相談してみてください。
松本医師
改善方法はいくつかあるので、気になる場合は医師に相談をしましょう
今日すぐにでも症状を軽減させたいならば、サングラスや帽子などを使って、物理的に光を遮ると良いでしょう。特に偏光サングラスは効果的なので、お持ちであれば、ぜひ試してみてください。
また、医師に相談して、瞳孔を小さくする点眼薬や光を抑える眼鏡を処方してもらう方法もあります。気になる方は相談してみると良いでしょう。
ただ、最近は多焦点眼内レンズの改良がだいぶ進んで、ハローグレア現象が起こりにくいタイプも誕生しています。まずは手術の相談をする時点で、どのようなレンズがあるのかを医師に尋ねてみてはいかがでしょうか。
グッズや薬を使って症状を軽減させることも、ストレスの一種になりかねません。先々のことも踏まえて、ご自身やご家族にとって何が最良の選択肢となるかを、ご家族の方とも一緒に考えてみてください。
ハローグレア現象とは、暗い場所で光が余分にまぶしく見える現象です。多焦点眼内レンズを使った多くの方に見られる症状ですが、術後、時間とともに症状の程度が緩和されていったり、光の見え方に慣れていったりなどし、やがて多くの方は症状が気にならなくなります。
ただし、中には何か月たっても症状が改善しない方もいるため、誰しもそのようなリスクがあると考えておいたほうが良いでしょう。
最近ではハローグレア現象の起こりにくい多焦点眼内レンズも誕生しています。ハローグレア現象が心配な方は、様々な多焦点眼内レンズを取り扱っている眼科へ相談してみるようおすすめします。
以下のページでは、多焦点眼内レンズの種類ごとの特徴を眼科医の先生に解説をしてもらっています。
自分に合ったレンズを見つける際の参考にしてください。