白内障手術は、成功率の高い手術と言われますが、失敗かも?と感じる結果になることもあります。白内障手術で起こり得る失敗例を解説。また、失敗を避けるためにその原因や対策についても紹介します。
白内障手術では、目の形状などから適切な眼内レンズの度数や乱視矯正の必要性を計算して準備します。
眼内レンズの度数や乱視矯正の不具合が原因で、眼内レンズ挿入後にピントが合わない、二重に見える、視力が回復しないという可能性があります。また、眼内レンズが本来入って欲しい位置からずれてしまうと二重に見える場合も。
白内障手術を受ける際には、手術前検査と事前の相談が充実している施設を選ぶようにしましょう。
なお、痛みが続くという場合には、感染や手術時にどこかに傷が入ってしまったという可能性があるので、違うクリニックに相談することも選択肢のひとつです。
病院を決めて手術をすることになったら、どういう見え方がいいかなど、具体的な希望を医師に伝えることが大事です。白内障手術に失敗したと感じる原因の多くは、見え方が希望と異なった時です。眼内レンズの度数は機械が計算しますが、近くを中心に見たいのか、遠くを中心にみたいのかは患者さんの希望次第。
テレビやスマホ、読書時の距離や、趣味でされていることなど、皆さんの生活を医師が理解することで、希望とのズレを防ぐことができます。
また、事前にどういう見え方になりそうか、医師や経験者の話からイメージすることも重要。健康な目と白内障治療後の目は異なるということを理解しておくと、失敗したと感じにくくなります。
両目が白内障の場合、両目同時に手術してくれるクリニックもありますが、可能なら片目ずつ実施する方が、失敗を防ぐことができます。
片目ずつ手術をする最も大きな利点が、片目を手術した場合、自分が白内障手術後の状態を体験できるので、見え方が想像と違ったり、思いもしない感覚があった場合には、その違和感をもとに、もう片方の目の手術時に調整していくことが可能になる点です。
術後感染のリスクも片目ずつであれば軽減できるため、時間的な余裕を作って片目ずつ実施する方が、失敗につながりにくいと考えられます。
手術を終えた後には、様々な指示をうけます。目薬や保護メガネの着用、お風呂やシャワー解禁のタイミングなどです。これらの指示は面倒なものもありますが、後悔しないためには約束を守ることが重要。例えば、目薬は術後の感染を予防するためにさすので、怠ってしまうと細菌感染により失明に至る可能性もあるので注意が必要です。
また、保護メガネはカッコ悪いと思う場合がありますが、汚れた手で目に触れるリスクを軽減するために大事です。面倒だと思うことほど重要な場合があるので、医師の指示に従ってリスクを避けるようにしましょう。
白内障手術に限らず、何かの治療を受ける場合にクリニック・病院選びは非常に重要です。当サイトでは、白内障手術を経験した方100名にアンケートを実施。クリニック・病院はどのように選んだか聞いてみました。
当サイトの編集チームは、白内障手術を実際に経験した方100人にアンケートを実施しました。
調査対象:44歳~89歳までの白内障手術の経験がある男女、調査機関:アスマーク利用、調査期間:2022年7月7日調査、調査人数(有効回答数など):100人
結果を見る限り、自宅や職場から近いクリニックを選んでいる方が多いのが分かりました。普段の健診は近場でも問題ないですが、手術を行うのであれば、足を少し伸ばしてでも信頼できるクリニックを探すことも検討した方がよいでしょう。医師の実績や手術機器の充実など、自分が安心できるポイントはどこなのかを見極めた上で、クリニックや病院を探すことをおすすめします。
白内障手術は、小さい切開で行う短時間の手術なので、成功率は高いと言われています。ただ、目の見え方は自分にしかわからないので、イメージと違う場合に「手術が失敗した」と感じることがあります。
失敗したと感じないためには、クリニック選びと、医師とのコミュニケーションが重要であると言えます。自分が求める条件を満たしたクリニックで、希望をしっかりと伝え、実現できることとできないことを理解すれば、手術後に後悔するリスクは軽減するでしょう。 以下では、白内障手術のクリニック選びに欠かせない条件である、単焦点レンズと多焦点レンズに対応したクリニックのみを都道府県ごとに紹介しています。
年間700件の症例数を有する「南大阪アイクリニック」の院長を勤める渡邊先生(2020年度実績)。新しい機器の導入や研究を貪欲に続けられてきたその知見の深さから、オウンドメディア「白内障LAB」の監修やYouTubeチャンネルにて、白内障手術に関する情報を提供。2020年には著書(※)を上梓するなど、日々白内障や白内障手術の正しい知識の発信に取り組んでいる。