白内障は、高齢の方が発症する場合が多いので、生活習慣と密接に関連しています。生活習慣病予防や食べ物に気を付けることにより、発症予防や進行抑制につながる可能性があるのでご紹介します。また、目薬についても解説しています。
日頃の生活習慣を注意することによって、白内障を予防したり、進行を遅らせたりすることができると言われています。例えば白内障は、糖尿病に罹患し、血液中の糖分が増加することにより、目のレンズ内の糖も増えて発症することも。
糖尿病にならないように食事に注意し、運動を行うことで予防できる可能性があります。腹八分目を心がける、野菜や肉から先に食べご飯やパンは後から食べる、ウォーキングや軽い筋トレなどを続けるといったことが、白内障の予防につながります。
生活習慣の見直しと同様に、食生活も白内障予防に重要な項目のひとつ。白内障は、目のレンズの中にある透明なタンパク質が変性することによって起こります。タンパク質変性の原因のひとつが「酸化」という現象。つまり、酸化を防ぐことによって予防や進行を遅らせることができる可能性も。
具体的にはビタミンCやビタミンE、βカロチンといった抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂ることが重要です。例えば、果物や緑黄色野菜などはこういったビタミン類が多く含まれるので、積極的に食べれば白内障の予防につながると期待できます。
白内障の原因のひとつである、タンパク質の酸化を進める行動のひとつに喫煙があります。喫煙は体内を酸化させる上に習慣化するので、長期的に体内の酸化を進行させることに。喫煙習慣がある方は、1日のタバコの本数を減らす、可能であれば禁煙するということが、白内障の予防につながります。
なお、紙巻きのタバコよりも健康に悪影響を与えにくいと言われる電子タバコですが、電子タバコも紙巻きのタバコと同じように酸化を促す成分を含有しており、電子タバコだから安心ということにはなりません。
加齢によって白内障が起こる要因は、長年にわたって目に紫外線を浴びることであると言われています。紫外線を皮膚に浴びると日焼けすることは知られていますが、紫外線は目にも影響を与え、白内障の要因にもなります。
環境汚染を背景に、地球に届く紫外線の量は徐々に増加。夏に屋外に出る時は日焼け止めを塗るのと同じように、サングラスや紫外線をカットするメガネをかける、帽子をかぶるなど目に入る紫外線の量を減らすことが、白内障の対策にもなります。
白内障の進行を遅らせる目薬があります。代表的なものは、ピノレキシンとグルタチオン。ピノレキシンは、目のレンズの透明なタンパク質を白濁させる、原因物質の働きを妨げることで白内障の悪化を防ぐことが期待できます。グルタチオンには、果物や緑黄色野菜に含まれるビタミンと同じく酸化を防ぐ作用があり、目のレンズ内の透明なタンパク質の酸化を防ぐことで、白内障の進行を遅らせることができる可能性があります。
どちらも、白内障の進行を遅らせる目的で眼科医によって処方される目薬。市販で気軽に買うことはできず、医師の指示・判断によって使います。
白内障予防のキーワードは「生活習慣」。糖尿病にならないように運動したり、ビタミンの多い食事を意識したりすることが白内障予防につながります。また、禁煙や、紫外線から目を守ることも重要。薬はあくまで白内障になった後に使用するもので、まずは白内障にならないよう生活習慣を見直すことが大切です。