注目のレーザー白内障手術について

白内障は、白濁したレンズを除去し、眼内レンズを挿入する手術によって治療します。手術方法は超音波治療が一般的ですが、近年は高度なレーザー手術治療を行うクリニックも増えています。当サイトでは、白内障手術を経験した100名の方にアンケートを実施。どちらの手術方法で治療したかを聞いてみました。

アンケートグラフ(手術方法について)

当サイトの編集チームは、白内障手術を実際に経験した方100人にアンケートを実施しました。
調査対象:44歳~89歳までの白内障手術の経験がある男女、調査機関:アスマーク利用、調査期間:2022年7月7日調査、調査人数(有効回答数など):100人

結果としては、およそ2割の方がレーザー手術を選んでいることが分かりました。このページでは、レーザー手術の特徴やメリット・デメリットについて、医師監修のもと解説します。

目次

監修者情報

松本行弘 医師
常に患者の見え方にこだわり、寄り添う医師
松本理事長写真写真引用元:アイケアクリニック公式HP(https://eye-care-clinic.jp/doctors)

グループ全体で年間2000件を超える白内障手術実績を有する「アイケアクリニック」の松本医師(2023年10月調査時点)。患者の「見え方」に対する幅広いニーズに対応するため、20種類以上の多種多様な眼内レンズを用意しています。
その知見の深さから、公式Youtubeチャンネルで、白内障手術や多焦点眼内レンズの正しい情報発信にも取り組まれています。

    経歴
  • 獨協医大越谷病院 眼科
  • University of Maryland, Department of Ophthalmology, Research Fellow
  • University of Washington, Biological Structure, Visiting Assistant Professor
  • 獨協医大越谷病院 眼科 准教授
  • 獨協医大越谷病院 眼科 緑内障・黄斑・PDT・角膜の各専門外来主任
  • 日本眼科学会認定指導医
  • を歴任

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レーザー手術の概要

白内障のレーザー手術は、白内障手術専用に開発された装置を利用した先進の白内障手術です。2014年に白内障手術用フェムトセカンドレーザー(LenSx®)が国内で初めて承認されました。この装置は、手術の際に眼球を立体的に分析し、角膜や水晶体を切開する位置や範囲、深さなどを計算することで適切な手術過程を作製。角膜創を切開し、水晶体前豪切開、白濁した水晶体の分割までの工程を自動で進めます。

装置は手術を正確に実行するため、眼に対する負担や合併症のリスクを軽減し、手術する医師もまた負担を減らすことができます。ただし、全ての方が利用できるものではありません。

一般的な手術との違い

レーザー手術は、一般的な手術と比べて手術の精度が安定することが特徴。白内障に限らず、基本的に手術は医師の手によって実施されるため、医師の経験値や熟練度、あるいは手術時のコンディションによって左右されます。よって手術後の状態が変わる可能性が否定できません。

一方でレーザー手術は、器械が前眼部の詳細画像情報から得た設計図に基づいて正確な位置にレーザー照射するイメージガイド手術で、基本的には常に同じ状態で手術することが可能です。白内障手術時の繊細な作業が必要な工程ををミクロン単位(1ミリメートルの1000分の1の長さ)で手作業なくレーザー照射で調節できるため再現性が高く、結果の屈折度数・乱視矯正の予測精度が高まります。

レーザー手術はレンズを吸引除去する前までを担当し、熟練医よりも高い精度で行うため医師の負担も軽くなります。

レーザー手術のメリット・デメリット

レーザー手術は、正確な手術実施による医師と患者双方の負担軽減と、眼内レンズ固定時の安定性の面で価値があります。医師は、意図した範囲に適切な深さで正確に切開され、白濁した白内障水晶体が2000分割で細かく刻まれた状態で手術を開始できます。

角膜創は人の手では不可能な正確な3面切開となり、前嚢切開の正確な正円性にコントロール可能で眼内レンズを適切な位置へ固定しやすくなることは術後視機能にも重要です。白内障水晶体は超音波で崩しながら吸引除去するため、超音波を使う前に既に細かくなっていれば、超音波を使用する時間は減少し、術中の患者の目への負担を軽減できます。

多焦点レンズ白内障手術だけでなく、進行した白内障、前嚢線維化・浅前房・チン氏帯脆弱例などで特に有効であることが知られています。また切開が正確であれば眼内レンズを適切な位置へ固定しやすくなります。

しかし、レーザー照射に必要な眼固定装置に患者の眼をドッキングするため、目の形が装置に合わない場合や散瞳(目薬で瞳孔を開くこと)が不十分の場合は使用できません。また、レーザー手術後に超音波吸引を行うため全体としては5分程度ですが手術時間が長くなります。

デメリットとしては、レーザー手術が保険適用ではないため手術費用が高額になること。自由診療のため手術費用は病院により異なりますが、比較的安価な単焦点レンズを使用した場合でも両目で70万円程度かかります(保険適用の場合では、自己負担3割の方で両眼約10万円)。

まとめ

医師アイコン

松本医師

眼の状態と費用を加味して検討を

レーザー手術は正確な手術が可能で、手術時のみならず手術後の眼に対する負担や影響を軽減できます。しかし、眼の状態によっては装置を使用できない場合もあります。レーザー手術の装置を導入している病院であれば、白内障手術のひとつの選択肢として治療の幅が広がります。

医師から十分な説明を受け、相談した上でメリット・デメリットを踏まえ、自身に合うかを十分に考えたうえで決断が必要です。

また、レーザー治療を検討する前に、自身に合った眼内レンズを選ぶことが欠かせません。当サイトでは、単焦点レンズと多焦点レンズの両方を扱っているクリニックを都道府県ごとにまとめています。

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