白内障手術後は普通に生活できる?

白内障は手術を受ければ終わりではなく、手術後の生活上で注意すべき点があります。目は感覚器のため特に注意が必要です。手術後に良好な視界を得るために、注意点や避けるべき習慣について解説します。

手術後の日常生活における注意点

入浴に関する注意点

手術後の首から下の入浴・シャワーは可能ですが、洗顔や洗髪は手術後1週間程度控える必要があります。これは感染対策のひとつで、目に髪の毛や水が入ることを避けるための指示です。また洗顔の際に目を圧迫すると眼内レンズがずれる可能性も。最悪の場合、感染で失明に至る可能性もあるため、少々気持ち悪いかもしれませんが、手術後の洗顔洗髪には我慢が必要です。

お化粧に関する注意点

手術後のお化粧も、1週間程度控える必要があります。化粧品が目に入ると、目をこすって、目の病気の感染リスクを増加させたり、眼球をキズを付けたりしてしまう可能性があります。アイメイクは目の周りなので、お化粧以上に注意が必要。洗顔ができないので、お化粧は一定期間避ける必要があります。

運動に関する注意点

運動をすると、汗をかきます。汗は皮膚に住んでいる細菌を集めて流してしまう可能性があり、この汗が目に入ると細菌感染を引き起こす危険を伴うので、運動は手術後は避ける方が良いでしょう。また、見え方が大きく変わるので、遠近感がつかみにくく、転倒の危険も。

汗をかかないくらいの散歩であれば問題になることは少ないですが、汗をかくスポーツ水泳などの水が目に入るスポーツは、避ける必要があります。

車の運転に関する注意点

白内障手術後は、見え方が大きく変わるだけではなく、視力が安定しないので、車の運転を一定期間避ける必要があります。また、夜間の運転であれば、対向車のヘッドライトが眩しく感じてしまうので、危険を伴う可能性が高まります。さらに、日ごとに見え方が変化するため、運転時に混乱する可能性も。できるだけ、運転を家族にお願いするか、タクシーや公共交通機関を利用する方が良いでしょう。

お酒やタバコに関する
注意点

手術を実施すると、多かれ少なかれ手術部位では炎症が起きます。お酒は炎症を悪化させる可能性があるので、手術後数日は控える必要があります。また、タバコは煙が目を刺激するので、控えるべき嗜好品。手術後の目を良い状態に保つためにも、お酒とタバコは数日間控える必要があります。

手術後の満足度調査

当サイトでは、白内障手術経験者100名の方にアンケートを実施。手術後の見え方と生活について満足度を聞いてみました。

アンケートグラフ(手術後の満足度について)

当サイトの編集チームは、白内障手術を実際に経験した方100人にアンケートを実施しました。
調査対象:44歳~89歳までの白内障手術の経験がある男女、調査機関:アスマーク利用、調査期間:2022年7月7日調査、調査人数(有効回答数など):100人

9割近くの方が、白内障手術に満足しているという結果になりました。手術自体はもちろん、先ほど紹介したように、術後の生活にも注意を払うことで、全体的な満足度は向上すると言えるでしょう。

まとめ

白内障手術後数日~1ヶ月程度の、日常生活における注意点をまとめました。

手術後は感染に注意が必要で、術後1週間程度は洗顔・洗髪・お化粧などは控えましょう。また、外傷の危険性を伴う激しい運動や、視力が安定するまでの期間の運転などには気をつけましょう。

日常生活に注意が必要な期間の目安は1ヶ月程度。

以降は、物理的な衝撃や見え方に対する注意が中心で、日常生活は普段通り過ごせるでしょう。

手術で入れる眼内レンズによって術後に裸眼でピントが合う範囲が異なります

白内障手術の後に、裸眼で生活をしたい方は、多焦点眼内レンズを選ぶといいでしょう。

単焦点レンズと多焦点レンズの違いをまず知った上で、クリニックを選ぶようにしましょう。

▼表は横にスクロールできます

単焦点レンズ 多焦点レンズ
特徴 ピントが合う距離は1点。
近くまたは遠くに合わせて選択する必要があるが、1点を鮮明な画質で見ることができる
ピントが合う距離は多数。
近くも遠くも見えやすくなり、中には中間距離にピントが合うものも存在する
メリット ・色の濃淡の判別がしやすい
・まぶしさを感じるハロー・グレア現象が起こりにくい
・眼鏡を外した生活が期待できる
・パソコンやスマホ、スポーツなど、生活上様々なシーンに適応できる視力になる
デメリット ・手術後は眼鏡が必須になる ・色の濃淡の判別がしづらいことがある
・ハロー、グレア現象が起こりやすい
治療費 治療費・レンズ費共に保険が適用
※レーザー手術の場合は自由診療となる
【厚労省認可あり】
治療費:保険適用
レンズ費:自由診療
【厚労省認可なし】
治療費・レンズ費共に自由診療
向いているのはこんな人 ・費用を抑えたい人
・画質の鮮明さを重視する人
・色の濃淡の判別が必要な仕事、趣味を持っている人
・できるだけ眼鏡を使いたくない人
・目に白内障以外の病気がない人
・完璧を求め過ぎない人

単焦点眼内レンズの画像:

画像参照元URL:https://eye-care-clinic.jp/tokyo/treatment-multifocal

多焦点眼内レンズの画像:

画像参照元URL:https://eye-care-clinic.jp/tokyo/treatment-multifocal

多焦点眼内レンズは、裸眼での生活を快適にすることを目指しています。

保険適応外になりますが、
ちょっとしたことでメガネやコンタクトをしなければいけないことや、作り替えに不便を感じている人は、
多焦点眼内レンズを選ぶことで、メガネやコンタクトを装着する煩わしさから解放されるでしょう。

単焦点レンズか多焦点眼内レンズかの選択だけでなく眼内レンズには様々な種類があるので、
眼の状態やライフスタイルを踏まえ、医師と相談した上で決めることをおすすめします

監修者情報

松本行弘 医師
多焦点眼内レンズの豊富な知識と経験を有する医師
松本理事長写真写真引用元:アイケアクリニック公式HP(https://eye-care-clinic.jp/doctors)

年間2000件を超える白内障手術実績を有する「アイケアクリニック」の松本医師。(2023年10月1日調査時点)。患者の「見え方」に対する幅広いニーズに対応するため、20種類以上の多種多様な眼内レンズを用意しています。
その知見の深さから、公式Youtubeチャンネル(※)で、白内障手術や多焦点眼内レンズの正しい情報発信にも取り組まれています。

※公式youtubeチャンネルへ遷移します。

    経歴
  • 獨協医大越谷病院 眼科
  • University of Maryland, Department of Ophthalmology, Research Fellow
  • University of Washington, Biological Structure, Visiting Assistant Professor
  • 獨協医大越谷病院 眼科 准教授
  • 獨協医大越谷病院 眼科 緑内障・黄斑・PDT・角膜の各専門外来主任
  • を歴任

以下では、白内障手術を行うにあたって欠かせない条件である、単焦点レンズと多焦点レンズの両方に対応しているクリニックを都道府県ごとに紹介しています。

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