多焦点眼内レンズの入れ替え・やり直し手術

多焦点眼内レンズを入れたものの見え方に違和感がある場合、入れ替え手術を検討する選択肢があります。本記事では手術を検討する際のリスクや注意事項などを解説。ぜひ参考にしてください。

入れ替え手術を検討すべき症状・問題

視力に関する問題

白内障の治療として多焦点眼内レンズを使用したのに視力改善を実感できなかったり、距離によって見え方のバランスが悪く感じたりといったケースがあります。また両目を手術したことで左右の見え方の差が大きくなった場合なども入れ替え手術の検討をすべきかも知れません。

光学的な問題

多焦点眼内レンズの光学的特徴として、単焦点眼内レンズよりも「ハローグレア」という光のにじみやまぶしさといった現象を感じやすくなることが挙げられます。また明暗のコントラストが低下してものが見えにくくなったり、夜間の視力低下が極端に感じられたりすることもあり、このような状態の解決策としてレンズ交換が有効な場合もあるでしょう。

レンズ位置の問題

初回の手術が適切に行われていたとしても、患者によっては眼内レンズの位置がずれたり、将来的にレンズが目の中に落ちたりといった問題が発生する可能性もあります。

入れ替え手術のリスクと注意点

手術リスク

入れ替え手術によるリスクとして、まず感染症や網膜剥離といった目の手術そのものの合併症があります、加えて、入れ替え手術は初回手術よりも難易度が高くなりやすく、また術後にどの程度の視力回復や症状改善が期待できるのか正確な予測も困難です。

費用面の考慮

白内障の治療として手術を受ける際、基本的に多焦点眼内レンズは保険診療と比較して自己負担額が大きくなり、医療機関によって金額差もあります。ただし条件によって一部治療が保険適用となったりレンズの種類によって選定療養制度の対象になったりする可能性もあり、詳細は医師に確認するようにしましょう。

レンズ選択の再検討

単焦点レンズへの変更

多焦点眼内レンズがどうしても自分に合っていないと感じた人は、改めて単焦点眼内レンズに交換することも検討すべきでしょう。なお単焦点眼内レンズはハローグレアが軽減されて視界が明瞭になる反面、ピントの合う位置が限定されるため老眼鏡や眼鏡を使用することが前提となります。

異なるタイプの多焦点レンズ

多焦点眼内レンズには様々な種類が存在しており、最初の手術で使用したレンズとは異なるタイプのレンズを検討することも可能です。

2焦点から3焦点への変更

遠近2焦点タイプの多焦点眼内レンズから、遠・中・近の3距離に対応した多焦点眼内レンズ(3焦点タイプ)に交換することで見えやすさが改善される可能性もあります。

回折型から屈折型への変更

多焦点眼内レンズには「回折型」と「屈折型」の2つの構造があり、それぞれに見え方や視界の状態が異なります。そのためレンズの構造を別のものに変更することで、改めて視力改善が叶えられる可能性もゼロでありません。

最新レンズの選択肢

白内障の治療やレンズの性能については日進月歩で研究が続けられており、過去に使用したレンズよりも最新式のレンズの方が、高性能で視力改善やストレス軽減に有用というケースもあるでしょう。